喬林知:今日はホワイトデーですね。で、実は、こっそりショート書いちゃったりなんかしちゃったりして……。

GEG:ど、どーしちゃったの!? すごいよ喬林さん!!(感涙)


というわけで皆さん、緊急ホワイトデー企画です。

期間限定で喬林知先生の書き下ろし短編を公開いたします。


【公開期間】 2008年3月14日(金)~4月3日(木)予定

(希望能有人翻譯啊~~~是有利和村田耶!!!!)(尖叫)
(想不到喬林老師是用"X"耶...呼呼呼)

WHITE DAY Yuri×Murata


「うっわ、けっこう女子多いな。ホワイトデーってのはさ、バレンタインにチョコを
貰った男が、感謝の気持ちをこめて女の子にお返しする日だろ? なのにどうして特
設売り場がこんなに女子だらけなんだよ」

「うーん、ホワイトデー限定の可愛いセットなんかもあるからねー。そういうの狙い
かもしれないよ。旦那さんに頼まれてる奥さん方もいるだろうし……ああほら、渋
谷、向こうの方にはちゃんと男もいるよ」

「ほんとか? あーよかった、二月に続いて三月も恥ずかしい買物するはめになるか
と思った。あっ、ちょっと村田、むらたー、先に行くなって! 見失うだろっ」

「そんなに情けない声ださなくとも。そう広い売場じゃないんだから。それにしても
渋谷も律義だよねー。バレンタインにチョコを貰ったからって、ホワイトデーにきち
んとお返しするなんて」

「借りを作りたくないんだよ!」

「母親に」

「……だから、借りを作りたくないんだって。あーあー、お前はいいよなあ。誰だっ
け、予備校仲間の。亀井静香ちゃん? 彼女からも貰って、他に学校でも貰ったんだ
ろ。そういう人はお返し選ぶのも楽しいですよねー」

「渋谷だって今年はママチョコだけじゃなかったんだろ? 言ってたじゃないか、目が
覚めたら枕元に置いてあったって」

「……兄貴からな」

「きみんちのお兄さんって案外乙女だよねー」

「……しかも手作り」

「きみんちのお兄さんって気合い入った乙女だよねー。でもそれにまできちんとお返
しする弟ってのも、珍しいといえば珍しい」

「だから、借りを作ると後々面倒なことになるからって! わっ、ああスミマセン。
そっれにしても混んでるなあ。しかもこんなにいろんな種類があったら、何買ってい
いか悩んじゃうよ」

「お母さんにはさ、綺麗なハンカチとクッキーのセットとかが無難なんじゃないの」

「ああ、ハンカチ。何枚あっても困らないもんな。でもこれ、どんな顔して渡したも
んだか、これまた悩むんだよ」

「普通に机の中に入れておけば?」

「お袋は机ないよ」

「え、じゃあタンスの引き出しとか」

「こっそりタンス開けるのか!? やだよ! うっかり下着コーナーなんか開けちゃった
らどーすんだよ! 親ブラなんか見たくねえし!」

「ごめん渋谷、親ブラって何?」

「は、母親の、ぶ、ブラジャー」

「あー、なるほど。人妻の下着の間に挟まるホワイトデーのお返し。うーん確かに
シュールだ。でもチチブリの間にひっそりと挟まってるよりはいいと思うけど」

「チチブリ?」

「父親のブリーフ」

「……うはー」

「でも何だかんだ言って渋谷は、面と向かって直接渡すタイプだと思うな。試合での
リードはどうか知らないけど、日常生活では直球型だもんね」

「ちぇ、人を持ち球の少ないピッチャーみたいに……ああもう、これとこれとこれで
いいや!」

「あれ、どうして三個買うの? お母さんとお兄さんなら二個でいいじゃん。あっ、
さては僕の知らないところで、ちゃんと本命チョコ貰ってたんだな? それともアニ
シナ印の魔動物質転送装置で、フォンビーレフェルト卿から何か届いた?」

「……お前……」

「え?」

「お前のだろっ」

「なんで僕!?」

「だって村田、お袋からしか貰えなさそうなおれに、そういう時は自分チョコだっ
て、いいこと教えてくれただろ。バレンタインコーナーにも付き合ってくれたし、女
の熱気でクラクラしてるおれの代わりに、良さそうなの選んでくれただろ」

「確かに」

「あれ美味かったし。 だから感謝してるからっ、お返し」

「お返しって」

「ああお前は自分でもバレンタイン限定品を買うついでだったのかもしれないけど、
でも村田いなかったら、一人だったら、おれあそこの売場に近付けなかったし。季節
限定の生チョコも食えなかったしっ。も、もしご希望なら、どっかにこっそり入れとくけど。下駄箱でも引き出しでもタンスでも」

「……いや、直接欲しいよ。でも」

「いいんだって。だいたいコンラッドが言ってたけどさ、アメリカじゃバレンタイ
ンってのは恋愛限定の告白イベントってわけじゃなくて、家族や友達や世話になって
る大事な人に、心のこもった贈り物をする日なんだって。花とかカードとか。だから
まあ、広い意味で考えれば、親チョコも兄チョコもありで、友人ホワイトデーもあり
なんじゃねーかなって……」

「ありがとう、渋谷。すごく嬉しいよ」

「だからー……いいんだって」

「でもね、渋谷。僕等バレンタイン売場で美味しそうなチョコ買っ
て、あの後ふたりでお互いのを半分ずつ交換しただろ?」

「あ? ああ、したな」

「実は僕、きみに買わせたチョコ、食べてみたかったんだよねー」

「食べてみたかったって、じゃあ何で自分で買わないんだ。トリュフやめておれと同
じの買えばよかったじゃないか」

「トリュフも生チョコも食べたかったけど、二箱も食べるのはちょっときつそうだっ
たんだよねー。色んな味をちょっとずつ食べたいっていうか」

「待てよ、てことはお前がおれにあのチョコレートを勧めたのは、自分の買ったのと
半分こして、二種類とも食べたかったからなのか?」

「まあまあ、深く考えずに」

「つまりおれは、おれのチョコは、最初からトレード要員だったってわけかー!?」

「ところでさあ、渋谷。ホワイトデーのお菓子を僕にくれるんなら、そっちよりこっ
ちのほうがいいな。あ、僕はこのマカロン買ってきみにあげるから、後で半分交換し
ようよ。あれ、渋谷? 渋谷ー、何やってんの。まったくきみは、目を離すとすぐに
どっか行っちゃうんだからー……」

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